2006年05月17日

●いつまでたっても・・・

今年NHKでも特番が放送されたのでご存知の方がいらっしゃるかと思いますが,アメリカで胃.肝臓,すい臓,小腸等合計5臓器の同時移植手術を受けた神達彩花(あやか)ちゃんが現地時間16日午後1時すぎマイアミ大ジャクソン記念病院で亡くなられました.享年1歳4カ月でした.
主治医の加藤友朗同大准教授はさぞかし無念だったと思います.ご冥福をお祈りいたします.

今を去ること17年前,日本初の生体肝移植が行われたとき,当時は助教授だった現ボス以下のスタッフが日々刻々と変わる容体に一喜一憂する姿を目の当たりに見ていた,私はまだまだほんの下っ端で,その現場でお手伝いをすることはできなかったのですが,小児用透析器のダイアライザーを広島までパトカーの先導で取りに行ったり医療以外で仕事をしていました.
それから・・・私は,移植医療よりもジェネラリストとしての医療ができることを目指し,今は山間部の中規模病院にいます.そしてこの17年,日本の医療は何も変わっていません.それどころか悪くなって行く一方です.今でも多くの患者様が外国に移植医療を受けにいかれます.
そして移植医療を,というか医療を取り巻くマスコミの態度はさらにひどいです.
彩花ちゃんのお母さんに平気で
「今回の手術は失敗だったのでしょうか」
と聞く無神経さ.医療を成功か失敗かの2極化してしか見ない態度に憤りを感じます.この興味本位の思想のない取材というのは17年前となんら変わる所は有りません.
治療の上で人が亡くなることを失敗と言うのなら私の失敗は100位になるぞ〜(おいおい)
日本がアメリカ並の訴訟社会になり,性善説の温床で暮らしていた我々は今,医療訴訟と言う嵐に翻弄されています.しかし,アメリカの医師のステータスは高く訴訟専門のスタッフを個人で抱えることができますが,日本ではなかなかそこまで医者の地位は高くはありません.
何故産婦人科医が減って行くのか,このことを行政は考えたことがあるのでしょうか?道路のインフラも満足に整えもせずにアメリカ並の病院配置を望んだってねぇ〜(怒)そりゃ一人で産科をやって,訴訟のリスクも高ければ成り手はいないでしょう.次は何科かな〜
ここらへんの方々は東京に行くよりも長い時間をかけて病院に来られます.そういう地域があることを厚生労働省の方々にわかって頂くことは・・・難しいだろうな(笑)

投稿者: at 22:34 | Comments [0]

2006年04月16日

●実話です

某時期,某所で・・・

お客様が尋ねてきました.そのお客様の要求に応えるためには2通りの方法がありました.
1)しばらく低リスクの手段を講じて様子を見て,改善すればよし,改善しなければリスクの大きい方法を行う
2)いきなりリスクの高い手段を講じる
最初に応対した担当(私じゃないです)は理路整然と説明され,相手も納得されたので,とりあえずは(1)の方法をとることになりました.私も隣で聞いていたのですがその担当の説明は非の打ち所がなく,私でもそうするだろうと言うくらいの一般的な選択だと思いました.
その出来事が午前中・・・で,その日の夜になって何を思ったのか家族が同じ職場の上司(私じゃないです)に個人的な知り合いと言うことで直接電話・・・
それを聞いたその上司は最初の担当に経緯を尋ねることなく,しかも状況は朝から何も変わっていないのにも関わらず(2)の方法をとられると言うことになりました.(この方,結構相手によって態度が違うのです.また,性格的には,私に任せば間違いはないと言いそうなタイプ)結果は・・・多分(1)が正解だったと思われました..
いくら家族が要望されたからって最初の担当の判断を全否定(しかもそれは妥当で決して間違っていません)してしまうのは上司としてどうよ?と思った次第の出来事でした.
分野に関わらずこんな上司ってどうなんでしょう.よくいらっしゃるんでしょうか?

なお,お客様,お客様の要求,担当等が何を意味するのかは読まれた方のご判断におまかせします.

その時はひとごとながら腹が立ちました.

投稿者: at 22:00 | Comments [3]

2006年03月26日

●尊厳死って・・・

最近富山であった事件については皆様ご存知のことと思います.
私的にはこの事例に尊厳死と言う使い方には抵抗があります.

同じ分野で同じ仕事に携わるものとして言いたいのは,他人の尊厳を決めるほど医師が偉いのかと言うことです.特にこのケースの場合,信念うんぬんと言うことであれば人工呼吸器を接続した時点で延命か静観かの選択を迫られるときがあったと思います.この時はどういった話をされたのでしょう.
私も同じような件には頻繁に遭遇します.救急救命の場ではなく,長く患ってこられた方が終末期を迎えられるにあたる時には必ず人工呼吸器を接続したら2度と外せないと言う話をします.この時点でたとえ家族が(多くは生活のリズムがくるって)疲れて,外して欲しいと言われてもそれはできないことを十分に話をして納得していただいた上で処置を行います.信念と言うほどかっこいいものではありませんが自分はそれが当然と思っています.終末期医療に関してはまだ制度の整備が為されていませんが一度つけたものを外す勇気と,きちんと説明を尽くしてつけない勇気のどちらが善いかと言うことになります.
人工呼吸器を装着する時点でも,延命して日が経っても生命の尊厳について変わりはないと考えますがこの外科部長の先生は違うと考えられたのでしょうか.家族の希望を聞いて処置をやめたと言う点では,尊厳死という言葉に酔っただけのような気がします.

同様に癌告知の問題も何だかしっくり来ないのです.本人に真実を告げるべきだとは思いますが,やはり,本人と一番関わっておられるのはご家族です.医師が恣意的に一方的に告げるのではなく(これも独善だと思います)時期,内容を相談される時間を持つことも大切と考えます.

投稿者: at 15:16 | Comments [1]

2006年03月16日

●怒!

4月からの改定でわが社は1億3000万円の収入減らしいです.
失政のつけを何で現場が負担しなければならないのか・・・.先日特集で見ていたら社会保険庁の事業は年間20兆円の現金を生み出す巨大利権だとか・・・
社会保険大学(ただ単に役人の研修施設)の宿舎にはゴルフの練習場があったり・・・おまえらのぜいたくをまかなうために保険料払っているんじゃないぞ〜!!

投稿者: at 23:46 | Comments [5]

2006年03月10日

●崩壊 つづき

湯たんぽ子猫さんが申し訳ながることはないですよ〜(笑)
余ったローテーターがうちに回ると言うことは無さそうですね.ことほどさようにここはO大学からは見放されてるのかな.
自分も将来的にはどうなるのかわからないのですが,ローテーションから離れて長年本社から遠いところで仕事をしていくとモチベーションが下がるのでしょうか.20年前と今では医者に対する意識が変わっていますからね〜.何とかモチベーションを下げずに自分はがんばらなきゃ.

投稿者: at 11:53 | Comments [3]

2006年03月09日

●崩壊・・・激白!!

最近の職場のバタバタに疲れてしまったので一部リークの意味で・・・(爆)
小泉内閣の間違った医療行政のおかげで地方の医療は崩壊しつつあります.
そりゃ,若いドクターにとっては症例のある都市部の方がいいから,新臨床研修制度が始まってから,地方の医師流出は止まりません.
あまり一般には知られていませんが,現場の当事者にしてみれば今回の医療改革は地方の老人は病院に行くなと言ってるようなものです.

さて,医局制度・・・白い巨塔で諸悪の根源のように描かれていました.しかし,この制度があり,地方の病院への医師の派遣について医局がある程度責任を持っていたのも事実です.
私の勤務先は歴史的には山陽のO大学の人事で医師が派遣されていました.まあ,私の所属する本社のS大学なんて歴史がたかだか20年ですからまだまだ新参者です.
ことは新臨床研修制度のあおりをくらってO大学が内科の医師派遣をしなくなったことに端を発します.山陽側の大学にとっては山陰の田舎の病院なんてあんまり魅力がないかも知れません.その後それでも何とか内科医師を私の本社から派遣をしてもらえてはいたのですがそれから2年,自体はさらに悪化しました.
当時30人以上いた医師が現在20名ほどになっています(これで当直医二人体制だから凄いもんだ・・・ちなみに当直の翌日はどんなにへろへろでも1日仕事をせねばならず,さらに外科の私は区分としては内科系当直やってます).そして今度はそのS大学内科が引き上げようとしているために山間部の中核公立病院(病床数約300床)である当院においてさえ,内科閉鎖の危機に立っています.
まあ,やはり職場の中に大学のブランドによるヒエラルキーというものが目に見えない形で存在しており,それに慣れていた経営陣(はっきり言えばO大出身のトップ)がこの2年間,医師の流出にあまりに無策であったと言うこととが原因なのでしょう.たとえ人手不足とはいえ.3年間に3つの医局が手を引くなんて言うのは原因は病院側にしかないような気がします・・・.
我が市の議会や市民の皆さんがこの事実をどこまで知っているのか,知らせているのかが疑問に残るところです.

最近の市町村合併で島根県I市に吸収されてしまった旧H市にH市立病院がありました.ここは私の勤務先の病院より小規模でしたが,構造的にはO大学支配ということでうちと同じです.
しかし,ここも内部でごたごたがあった様で最近O大学出身の院長が辞任されました.そしてトップが私の本社から行くことになったようです.当然本社のバックアップが得られることになり医師派遣は増えるようですが,そのために切られたのがうちの病院と言う図式になりました.
S大学医学部付属病院長が
「S大学から兵隊をいくら派遣しても使われるばかりで気の毒だと思うとなかなか派遣できない」
といっておられました.まさに今の私がそれ(爆)外科中唯一のS大出身ということでもう大変・・・.
この言葉の裏の意味を考えればうちの病院が切られた理由がおわかり頂けると思います.
われわれ下っ端としては,地元であるS大学やT大学のバックアップを受けて医師派遣を継続してもらうために,すでに本拠からの派遣が途絶えつつあるO大学のトップが何をなすべきかということはわかっているのですが,当事者であるトップはどう考えているのだろう.

当直を月10回以上すれば1回の当直料を5万円くらいにしてくれたら頑張って見ようかな〜(爆,それでもいやかも)
U市にお住まいの皆様にとっては病院の存亡は身近なものと思われます.それが周知されていないのが怖い.

投稿者: at 20:58 | Comments [6]

2006年02月05日

●疲れた

2日で16時間の缶詰め研修が終わりました・・・きちんとした休み時間は昼休みだけだったような気がします.次は受けたくないくらいハードでした(ってもう受けなくてもいいのですが).
しかし,一般の教育に携わっておられる方はこれをクリアしてこられたんでしょうね.徒弟制度の社会に染まった私には新鮮でした.

肉体労働で得た(爆)修了証の一部.一応医政局長の名前だから将来的には何かのコストに跳ね返るのでしょうか・・・.次は受けたくないくらいハードでした(ってもう受けなくてもいいのですが)が,今の職場をこれが役立たせる環境にするのが大変・・・.
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入れ物が変わらないと無用の長物.

投稿者: at 22:38 | Comments [1]

2005年11月23日

●創傷被覆材

今を去ること15年前,私が今の仕事についたばかりのとき,外傷は
「消毒してガーゼ保護」
が基本でした.
1.傷(裂傷,挫傷,縫合創,熱傷,褥瘡など・・・)は必ず消毒する。消毒しなければいけない
2.傷は消毒しないと化膿する。傷が化膿しないように消毒している
3.傷が化膿したので消毒する
4.傷にはガーゼをあてる
5.傷は濡らしてはいけない。縫った傷は濡らしてはいけない
6.痂皮(カサブタ)は傷が治るときにできる。痂皮ができたら傷が治る

といわれていたのですが・・・時は流れ最近になっていろいろと考え方が変わってきました.
現在このうちいくつ正しいと思われますか?

なんと今では全て間違い!!・・・
1.傷は消毒してはいけない。消毒は,傷の治癒を遅ら妨害しているだけの無意味で愚かな行為である
2.消毒しても傷の化膿は防げない。傷の化膿は別のメカニズムで起こっている
3.化膿した傷を消毒しても,治療効果は全くなく無意味である
4.傷(特に皮膚欠損創)にガーゼをあてるのは,創治癒を遅らせる行為である
5.傷はどんどん洗ったほうが良い。傷の化膿の予防のためにも,治癒を促進させるためにも最も効果がある。縫合した傷も洗ってよい
6.痂皮は傷が治らないときにできる。痂皮は創治癒がストップしているからできている。痂皮は創治癒の大敵である
ということです.
医療手技ってある意味流行がありますが,最近のトレンドは私の領域では創傷管理,疼痛管理,栄養管理の様です.

傷が(特に擦り傷)がじくじくしているとカットバンでも当てたくなるのが人情ですが,このじくじくが傷が治るためには必要です.ガーゼ当てるとこのじくじくが吸収され,傷が乾燥するため治りが悪くなります.また,ある意味有名なイソジンは殺菌力の10倍以上の組織障害性があります.仕事場の立地条件から,床ずれで入っておられる方も多いのですが,床ずれに関しては全てイソジンは使っていません.
最近では閉鎖療法と言われる,最初に洗うだけで治癒まで傷を被覆材で覆いほとんど(というか全く)ガーゼ交換や消毒をしない治療法が報告されています.
よっぽど汚い傷でもない限り,創面に多少細菌がいたとしても,その細菌の増殖を上回るスピードで創の上皮化が起こってしまえば細菌は自然に排除されます.閉鎖環境下での創傷治癒が多少の細菌の存在など問題にしないほどのスピードで進行するとも言われています.
で,その創傷被覆材のひとつとしてアルギン酸塩被覆材があります.これは名前からわかるように海藻からの抽出物です.
昨日のU-ボートつながりなのですが,これが開発された歴史的背景は第2次大戦中,ドイツ軍のUボートに阻まれて孤立したイギリスは綿の欠乏により創傷被覆材がなくなり,代用品として海草の線維から綿のようなものをつくって使ったのが始まりということです.たまたま思い出したので今日はそのお話を・・・

詳しくはこちらまで

まだまだ一般的ではないのでこういうところで大々的にお勧めできないのが残念ですが,極端なことを言えば擦り傷程度であればよく洗って家庭用ラップで覆っておいたほうが治癒が早い場合が多いということです・・・.

投稿者: at 12:25 | Comments [0]

2005年11月17日

●怒!の1日

公然わいせつで逮捕された東京都のある病院の脳外科部長が自分の大学の卒業生だったというだけでも腹立たしい1日が始まったのに,夕方近くさらに腹立たしいこんなニュースが・・・.
炬燵猫は職業柄暴露される機会が多いのでこの時期にワクチンをしています・・・でも昨年は5月に発症,結局総会欠席でした(苦笑),基本的にインフルエンザは出勤及び停止になるので早く治さなくても良いのですが,やはり高齢者とか気道の弱い方には必要かなと思います.まあ,最近世間をにぎわせた「タミフル服用による異常行動死(?)」は,いろんな考え方があるのでコメントしません.
しかし,一番腹立たしいのは国民の健康という国民生活の根幹をなす事柄に対して
「日本は従来、世界の流通量の大半を消費しており、一層の輸入増は他国に配慮せざるを得なかった」
とコメントをする厚生労働省.政府全体にもっと近隣諸国に遠慮することがあろうに・・・.

ちなみに毎シーズン,3月ごろになるとタミフルは品薄になり始め3日分しか出せなくなるのになんの対策も無いです・・・.

投稿者: at 20:56 | Comments [4]

2005年11月16日

●う〜ん

今日は職場の送別会でした・・・.実は今年になってから送別会の数と歓迎会の数では送別会の数が多いのです.
要するに職員が減っていっています・・・(汗)

どうしてくれる厚生労働省!

投稿者: at 22:42 | Comments [0]

2005年10月26日

●新手の・・・

今日上司が言っておりました.
医学部進学何たらと言う団体から手紙が来たと.
内容は国公私立大学医学部全てに政治家しか知らない定員の枠があり,現金(結構法外な金額)を振り込めばその枠を子弟のために確保するということでした.
こちら側にいるとあからさまに怪しいのですが,結論はやはり「ありえない」と思います.政治家の皆様方は自分の子弟を医師にしようなどと思っているんでしょうか・・・口が軽い某国会議員の話の内容が事実なら,彼の議員収入は通信費等を含めると15年目の私の給料の3倍以上ですから・・・
どこかの殺人請け負い詐欺とおんなじで,だまされても訴えられないのでしょうが,よくもまあ次々考えると思いました.

投稿者: at 23:13 | Comments [4]

2005年10月18日

●靴ずれ

新しい靴を買ったので,当然こうなります(涙)
とても痛かったのですが,そこは材料には困らない職場なので(謎爆)・・昨日処置して,今日は痛くありません.
皆様,靴ずれで困りそうなときはご一報ください(笑).お力になります.

投稿者: at 11:11 | Comments [0]

2005年10月13日

●あ〜もう!

いろいろな医療行政の制度改革があり,田舎の病院は大学医局からの派遣医師が引き上げられていくため現在の所マンパワーが払底しています.島根県の隠岐島では出産もままなりません・・・.厚生労働省のお題目は立派なのですが,田舎の人間は医者にかかるなということらしいです.加えて田舎の医師は働け・・・ということでしょう.34人いた医師が20名余りになってしまうのは大問題です.


最近本社が私を呼び戻そうとしていますが,その本社の人事担当から「今の勤務先のトップにはまだ言いにくいから,とりあえず(現在の自分の)直属の上司に話がしたいので,トップが不在で直属の上司がいる時期をさりげなく聞いておいてくれ」だって・・・どうやってそんなことを「さりげなく」聞くんだよ全く!
(直接まだトップには会いたくないといわれた時点で用件はわかっているだけに)電話口であきれて絶句した私でした.
う〜ん,来年夏はどこにいるのかな〜(苦笑)

投稿者: at 22:17 | Comments [0]

2005年09月14日

●医療費

romi先生がBlogで書かれていらっしゃいました通り,今回の選挙の争点が郵政民営化の是非だけが全面に出て自民党の圧勝に終わりました.しかし,私の職場でもこれで医療行政の退化が懸念されています.

以前ケンカで外来に来られた方(杓子定規に言えばケンカでは健康保険が使えません)が診察料を見て肝を潰されていました.日常の診療程度では皆様も実感が湧かないかもしれませんが,私の専門分野においての話だとがん治療になります.新・抗がん剤の副作用がわかる本などでは抗がん剤使用のデメリットが書き連ねてはありますが(私は近藤先生の考え方はあまりにも一面的で極端だと思っています),一応自分の患者さんでは結構効いており,がんの転移が無くなった方もいらっしゃいますので,近藤先生のように「抗がん剤は100%が毒物」とはいえないところがあり,現時点ではがん治療としては抗がん剤に頼らざるを得ないのも事実です.それと,この先生が言っておられる抗がん剤の薬価差益なんて少なくとも公立病院ではありえません.抗がん剤治療がもうかるのなら世間は抗がん剤専門医ばっかりになってしまいますがな・・・(爆).
現在下部消化器がんの治療として広く行われているホリナート・テガフール・ウラシル療法という方法があります.これは28日間内服,7日間休薬と言うサイクルを繰り返すのですが,1サイクル当たりの薬代だけで約24万円になります.現在のところは3割負担ですから7万円程度になるわけですが,今後国民医療費の抑制がかかれば怖いことに自己負担がいくらになるのかはわかりません.(現状は14日分しか処方しないのですが,それでも3万円くらい払わされるので事前に患者様に費用をよく説明しとかないと怒鳴り込まれます)
さらに,医師の卒後教育と称して導入された新研修制度のために地方の医療は崩壊の危機に瀕しています.私どもの病院でも医師不足は深刻化し,一時期の2/3程度の医師しか在籍していません.医師数が少なくなれば病院自体の収益も減少し(病院が受け取る診療報酬にはなぜか消費税がかかりませんがそこに納入される物品,薬品には消費税がかかります)医療サービスの低下は不可避です.

このままの医療改革が続けば将来は田舎に住んでいる低所得層と政治家の皆様の受けられる医療は同じ国民とは思われないほど格差が開くんだろうな〜.それって改革なの?

投稿者: at 19:20 | Comments [1]

2005年08月19日

●マムシと蜂

マムシドリンクとローヤルゼリーの話ではありません(笑).
今年は暑いのか蜂が活発に動き私の住んでいる田舎の方では被害続出です.私の職場にも毎日蜂に刺された方がたくさん来られます.昨日も自分で運転して来られたのですがそのまま救急外来で呼吸困難になってしまった人もありました.同じ日にマムシに咬まれた方(自宅の玄関で!!と言うくらい田舎です)も来られました.たいていはマムシより蜂の方が重症で手がかかります.私がこの稼業に就いてからマムシに咬まれてなくなった方はいらっしゃいませんが蜂に刺されてなくなった方はいらっしゃいます.日本の生物に起因する死因としては蜂がトップです.蜂に刺されて来られる方々は蜂の毒自体が悪さすると思っておられるようで,「蜂が小さかったから大丈夫」とか「何度も刺されているから大丈夫」と言われますが,その実態はアナフィラキシーショックで,人の側のアレルギー性反応に起因します.そばを食べてそばアレルギーで亡くなることがあるのとおなじなのでこればっかリは予測がつきません.マムシ毒もアナフィラキシーを起こしやすいのですが,マムシとなると皆さん警戒されるので2度目3度目と咬まれた方は少ないので重症には至らないようです.蜂の場合,重症になると救急車の到着を待たずに悪化し,亡くなる方もいらっしゃいます.
予防は何よりも「蜂に刺されないこと」です.OCメンバーの方々は職業が多岐にわたっていますが,まだまだ蜂のシーズンは続きますので建築関係とか森林関係の方,あるいはレジャーで山にいかれる方,十分にお気をつけください.

投稿者: at 19:42 | Comments [0]